2010年4月24日土曜日

派遣とやら。

どうも、町奴です。
今日はえらく良いお天気ですな。んむ、茶がんまい。


そういえば、かつて、派遣とやらに登録して、どうにか日銭を稼いで暮らしたことがありまして。
派遣に登録されたことのある方には馴染みでしょうが、
「倉庫での検品作業」というシゴトがあります。


寒い冬でありんしてね。半開きのシャッターから冷気が入り込む中、
できるだけ暖かい格好にエプロンをつけて、バリカンみたいな機械を持って出品前の衣服を細部に至るまでなでまわし、中に針が入っていないかどうか探す、という作業でありんした。


あっしはまだ学校出たてのペーペー。
まだ金を自分で稼ぐことの大変さの扉を開けたばかりでありんす。


とある、千葉の駅に行きまして。
心細い中、集合場所に向かいます。
男性やら女性やら、あちこちでぼんやりしている一角にたどり着き、
群れにそっと加わりまして。


どうにも不慣れで困りそうな気配がしたので、
女性二人に思い切って話しかけてみやした。
「すみません、私初めてなんで、よく勝手がわからず。何かあったら教えて頂けますか?」


…あ、ええ、はい、町奴は女です。


ぼんやりとこちらを見る目線。
一人はイヤホンを片方だけ耳からはずし、頷く。そしてまた耳へ。
もう一人はマルメンをふかしながら「はあ」。
このマルメンがエンドレス。のべつまくなし。


やがて昼休み。
女性二人にくっついて食堂へ。
イヤホン女性は、音楽を聴き続け、買ってきたマクドナルドの何たらセットを食す。
マルメン女性は、またマルメンを(当時はまだ禁煙ブームじゃなかった)。
さすがに気になったあっしはイヤホンに「何聞いてるんですか」と。
すると方耳だけはずして「ワンピース」。そしてまた戻す。
…お、もしや。
ああ、そっち方面。


するとマルメンが話しかけてきた。
「今まで、つきあった男と寝た男、どっちが多い?」


おお、おい、ちょっと待て。
どうした、何があったんだ?


我々は初対面で、しかも今は仮にも仕事の昼休み。
周りに人がわさわさいる食堂で、その話題のチョイスはいったい何だ、何なのだ?


ああ、酔った勢いとかもあるんで、まあ寝た男っすかねえと正直に答えると、
ああ、そう、やっぱそうだよねえ?と、自分が寝た男を指折り数えだすマルメン。
20人程度いらしたかと。
相変わらずエンドレスマルメン。
向かい側にはワンピース。




…ここはいったい何のワンダーランドだ?



ふとあたりを見回すと、よくわからないが、そういった類の方が多くいらしたような気がする。
他者との距離感がわからないのだ。
だから一人でいるか、過剰に仲のよいふりをしているか、よくわからないことをしているか。
ひたすらマスカラ談義をし続けている女子二人や、気が触れたかのような数のストラップを携帯につけている女性とか。
男性はたいがいジャンプやそこらの漫画雑誌を読んでる人が多かった(8年前くらい)。
今ならさしずめ携帯ゲームをされとるでしょうな。



あっしにとって「派遣」の第一印象たあ、そういった人種のるつぼ、ってことでやんしたねえ。
いや、まあね、これが全てじゃないんでしょうけど。
にしたって、ちょっと不思議な感じでしたよ。
作業自体は、寒いのを除けば、別に嫌じゃありませんでしたけどね。



あ、ほら、もうすぐ日が沈みます。
夕暮れの気配が、徐々に東から。


いろんな空があるように、いろんな方がおられますな。

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