ぷはあ。
おや、どうも。お元気でしたか。
いかがですか、一服。
いやね、今、昔やってた、どうにも馴染まなかった仕事について思い出していたのですよ。
ふう。
先方にもかなり迷惑かけましたがね。
あっしもどうにも耐えられんかったですわ。
秘書、ってやつです。
人の面倒を見るのは嫌いではないのですわ。
いやむしろ、好きといえるほうでしょうな。
ただ、あれです、
モチベーションによっては、見返りを求めてはならないもんなんです、そういった類のことは。
だから、あっしの場合、仕事にしてはいけなかったんですな。
仕事にすると、どうしても評価がつきまとう。
こちらは情からやったことでも、先方にすれば仕事だから当然なわけで。
常に、評価、の対象となってしまう。
その温度差に、徐々にめげていってしまい。
最後には何もする気が起きなくなってしまいましてね。
印鑑を買って来い、という指令に対し、
印鑑を探して一時間歩き回り、
ああこれは自分はあの部屋に戻りたくないんだなと自覚したとたん、
これ以上続けてはならない、と思い至りましたわ。
雇い主にもご迷惑かけたことかと。
いまだに気分が定まらないですわ、あの頃のことを思い出すと。
向いてない職種って、あるんですねえ。
ふう。
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