ずずず。はあ。
おお、そうそう。
昔、変わった友人がありましてな。
町奴がまだ子奴だった頃の友人で、
これまたかぶいた者だったため少々けむたがられていたのだけど、
あっしとは妙に共通点があり。
あるときから、ごくたまにつるむことがありんした。
そやつは妙に「パワー」、すなわち権力にまつわるものが大好きで。
かつては自民党の某オールバック議員に惚れ込み、枕の下に新聞の切り抜きを入れて眠るような、
変わったお子でありんした。
確かそう、
その者からあるとき突然電話があり、アルバイトをやらないかと。
ひたすら新聞の切り抜きを採取し、コピーをとるという、いわば資料づくりの作業だと。
金を稼ぐのに困っていた私めは、一抹の不安を抱えながらも引き受けることに。
何が不安かって、それってまともなシゴトなんだろうか、という点において。
職場は議員の事務所兼私宅。
2階が事務所になっていて、1階および半地下が書庫と倉庫。
その半地下に日がな一日もぐりこみ、ひたすら新聞に目を通し、切り抜き、
コピーをとり、イシューごとにファイルに綴じる。
イシューは、「北朝鮮」「アメリカ」「中東」ならびに「福祉」「地方行政」などなど。
国際関係のものが多かった記憶が。
なんというか。
作業そのものはさほど嫌ではないのだが、
陰鬱な空気に一人浸されることで、まったくの鬱になる。
誰とも口をきかず、一人新聞を読み、切り抜き、台紙に貼り、コピーをとり、綴じる。
私の友人は、その議員の事務所で仕事をしていたが、
国会議員に当選したため、議員会館に移動することになった。
今なおそこにいるはず。
何せ、彼女自身が国会議員になることが夢だから。
もはや連絡をとりあってはいないけど、
彼女の権力欲がどういった形に実を結ぶのか。
傍観して楽しみたいと思いやす。
ああ、茶がうまい。
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